フランスの村とぶどう畑(イメージ)
※イメージ(AIで作成)

フランスワインのしくみ

フランスワインの3つの区分

↑ 産地とのつながりが強い

  1. AOP(AOC)決められた地域で栽培から醸造まで。品種・造り方も決まっている
  2. IGPぶどうの85%以上がその地域のもの。品種や造り方の幅が広い
  3. ヴァン・ド・フランス産地の決まりがない。地域をまたいで合わせることもできる

フランスのワインは、産地とのつながりの強さで、大きく3つに分かれます。

区分どんなワインか
AOP(原産地呼称保護)/AOC決められた地域で、ぶどうの栽培から醸造まですべてを行い、決められた品種・造り方を守ったワイン。EUの表示がAOPで、フランスの昔からの表示がAOC
IGP(地理的表示保護)品質や評判が産地と結びついたワイン。ぶどうの85%以上がその地域のもので、収穫から醸造の終わりまでをその地域で行う。AOPより使える品種や造り方の幅が広い
ヴァン・ド・フランス産地の決まりがないワイン。フランス国内のぶどうであれば、地域をまたいで合わせることもできる

ラベルに大きく書かれた地名は、多くの場合AOP(AOC)の名前です。

シャンパーニュ

パリの東、約145キロメートルにある産地です。ここで決められた造り方で造った泡のワインだけが「シャンパーニュ(シャンパン)」を名乗れ、その名前は130か国以上で守られています。

  • 広さ:約34,300ヘクタール、約320の村、約28万の区画。16,000人以上のぶどう農家がいます。
  • 主な地区:
  • モンターニュ・ド・ランス(ピノ・ノワールが多い)
  • ヴァレ・ド・ラ・マルヌ(東はピノ・ノワール、西はムニエ)
  • コート・デ・ブラン(白亜の土に、シャルドネ)
  • コート・デ・バール(南の地区、ピノ・ノワールが多い)
  • 品種:ピノ・ノワール38%、ムニエ31%、シャルドネ31%。
  • 熟成:瓶内二次発酵のあと、澱(おり)と一緒に瓶の中で12か月以上寝かせます。出荷できるのは、瓶に詰めてから、ノンヴィンテージは15か月以上(実際には2〜3年のことが多い)、ヴィンテージ(収穫年入り)は3年以上たってからです。
  • 歴史:今の産地の範囲は1927年の法律で決まり、AOCに認められたのは1936年です。

店では、エペルネやランスのシャンパーニュをお取り扱いしています。

シャンパーニュのぶどう畑の割合

ピノ・ノワール 38%ムニエ 31%シャルドネ 31%

瓶内二次発酵のあと、澱と一緒に12か月以上。出荷はノンヴィンテージで瓶詰めから15か月以上、ヴィンテージは3年以上たってからです。

ブルゴーニュの斜面の畑(イメージ)
※イメージ(AIで作成)

ブルゴーニュ

4つの格付け

ブルゴーニュのAOCは、畑の個性によって4段階に分かれます。

段階説明
地域名ブルゴーニュ全体や広い地域の名前のワイン
村名決められた村(いくつかの村にまたがることもある)のぶどうで造るワイン(44のアペラシオン)
プルミエ・クリュ(1級畑)村の中で、特に個性が認められた区画(クリマ)のワイン
グラン・クリュ(特級畑)もっとも優れた33のアペラシオン。ラベルには村の名前は書かず、畑(クリマ)の名前が書かれる

品種

シャルドネ約49%、ピノ・ノワール約40%、アリゴテ約6%、ガメイ約4%。白ワインが6割を占めます。

ブルゴーニュの4つの格付け畑の個性で4段階に
  1. グラン・クリュ(特級畑)もっとも優れた33のアペラシオン。ラベルには畑の名前
  2. プルミエ・クリュ(1級畑)村の中で、特に個性が認められた区画
  3. 村名決められた村のぶどうで造る(44のアペラシオン)
  4. 地域名ブルゴーニュ全体や、広い地域の名前

品種の割合

シャルドネ 約49%ピノ・ノワール 約40%アリゴテ 6%ガメイ 4%

主な地区

  • シャブリ:セラン川に沿った斜面の、粘土石灰質の土壌。シャルドネだけで造る、ミネラルを感じる辛口の白です。プティ・シャブリ、シャブリ、シャブリ・プルミエ・クリュ、シャブリ・グラン・クリュの4つの格付けがあります。
  • コート・ド・ニュイ:ディジョンの南、長さ20キロメートル、ところによって幅200〜300メートルの細長い産地。「ピノ・ノワールの楽園」と呼ばれ、ブルゴーニュの赤のグラン・クリュのほとんどがここで生まれます。ジュヴレ・シャンベルタン、ニュイ・サン・ジョルジュなど。
  • コート・ド・ボーヌ:南北20キロメートル。ボーヌの周りはピノ・ノワール(ヴォルネイ、ポマールなど)、ムルソーより南はシャルドネが中心です。世界でもっとも有名なグラン・クリュのひとつ、モンラッシェがあります。
  • オート・コート:コート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌの西の、標高300〜400メートルの台地の産地です。

ボジョレー

ブルゴーニュの南の産地で、ほとんどがガメイという黒ぶどうです。世界のガメイの畑のおよそ半分がボジョレーにあり、花崗岩の土を好みます。

  • ボジョレー・ヌーヴォー:その年のぶどうで造る新酒。毎年11月の第3木曜日に解禁されます。
  • 12のアペラシオン:そのうち10が「クリュ・デュ・ボジョレー」と呼ばれる、村や丘などの名前を持つワインで、モルゴン(1936年)やレニエ(1988年、いちばん新しいクリュ)などがあります。
ボルドーのシャトー(イメージ)
※イメージ(AIで作成)

ボルドー

川と左岸・右岸

ボルドーは、ガロンヌ川とドルドーニュ川、そして2つが合わさったジロンド河口の周りに広がる産地です。

地域場所主なワイン
メドックジロンド河口の左岸、大西洋との間砂と砂利(グラーヴ)の土に、カベルネ・ソーヴィニヨン主体の赤だけ。マルゴー、サン・ジュリアン、ポイヤック、サン・テステフ、オー・メドックなど
グラーヴボルドーの町の南から、ガロンヌ川の左岸に沿って約50キロメートル続く砂利と小石の土。赤と辛口の白
ソーテルヌガロンヌ川とシロン川の間の左岸貴腐ワイン(極甘口の白)
サン・テミリオン、ポムロールなどドルドーニュ川を見下ろす右岸の丘石灰岩の台地と粘土の土に、メルロ主体の赤。サン・テミリオンは世界遺産
アントル・ドゥー・メールドルドーニュ川とガロンヌ川の間爽やかな辛口の白、赤、甘口
コート・ド・ボルドー丘の産地(ブライ・カディヤック・カスティヨン・フラン)が2009年にひとつのAOCになり、2016年にサント・フォワが加わったメルロ主体の赤

カスティヨンは、百年戦争の終わりを告げた「カスティヨンの戦い」(1453年)の地です。

品種

赤ワインの畑の66%がメルロ、22.5%がカベルネ・ソーヴィニヨン、9.5%がカベルネ・フランです。白ワインはソーヴィニヨン・ブランとセミヨンが中心で、ミュスカデルも使われます。ボルドーの多くのワインは、いくつかの品種を合わせて造られます。

ボルドーの川と、左岸・右岸
左岸メドック・グラーヴ・ソーテルヌ砂と砂利の土。メドックはカベルネ・ソーヴィニヨン主体の赤、ソーテルヌは貴腐ワイン
ジロンド河口
ガロンヌ川
2つの川の間アントル・ドゥー・メール爽やかな辛口の白、赤、甘口
ドルドーニュ川
右岸サン・テミリオン・ポムロール石灰岩の台地と粘土の土に、メルロ主体の赤

赤ワインの畑の品種

メルロ 66%カベルネ・ソーヴィニヨン 22.5%カベルネ・フラン 9.5%

ボルドーの多くのワインは、いくつかの品種を合わせて造られます。

ソーテルヌの貴腐ワイン

シロン川から立ちのぼる霧が、よく熟したぶどうに貴腐菌(ボトリティス・シネレア)を育て、ぶどうの水分が抜けて、甘みが濃くなります。貴腐のついた粒だけを選んで、何回にも分けて手で摘み取り、収穫は1か月におよぶこともあります。セミヨンが主体で、ソーヴィニヨンとミュスカデルを合わせます。

格付け

  • 1855年の格付け:パリ万国博覧会のため、ナポレオン3世の求めで作られました。赤はメドックの60のシャトーとグラーヴの1シャトーを1級から5級に、甘口の白はソーテルヌとバルサックの27シャトーを3段階に分けています。
  • サン・テミリオンの格付け:10年ごとに見直される格付けです。いちばん新しい2022年の格付けでは、85のシャトーが選ばれています。

ロワール

ロワール川に沿って、さまざまな産地が続きます。

  • ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ:ナントの東、大西洋に近い産地。ムロンという品種だけで造る辛口の白です。「シュール・リー」と書かれたものは、発酵のあと、少なくとも翌年の3月1日まで澱(おり)の上で寝かせてから瓶詰めしたもので、うまみと爽やかさが生まれます。
  • 店では、アンジュー、サン・ニコラ・ド・ブルグイユ、サンセール、ルイイのワインもお取り扱いしています。

ローヌ

  • 北部:赤はシラー、白はヴィオニエやマルサンヌ。
  • 南部:グルナッシュ・ノワールを中心に、シラー・ムールヴェードル・サンソーなどを合わせます。

アルザス

ライン川沿い、西にヴォージュ山脈がある産地です。リースリング・ミュスカ・ピノ・グリ・ゲヴュルツトラミネールなどの白ワインで知られ、51のグラン・クリュがあります。

ラングドックとルシヨン

地中海沿いの、フランス南部の広い産地です。

  • リムー:オード県の産地。リムーの委員会は、1531年にサン・ティレール修道院の修道士が泡を見つけたことを「世界で最初の発泡ワイン」と伝えています。モーザックという品種を中心にした「ブランケット・ド・リムー」、シャルドネを中心にした「クレマン・ド・リムー」などがあります。
  • 天然甘口ワイン(ヴァン・ドゥー・ナチュレル):ルシヨンのリヴザルトやモーリーなどで造られる甘口ワイン。発酵中の果汁にぶどうのアルコールを加えて発酵を止め、ぶどうの甘みを残します。
  • 店では、ミネルヴォワ、カバルデス、ピクプール・ド・ピネ(モンタニャック)などのワインもお取り扱いしています。

プロヴァンス

地中海に面した産地で、造られるワインの約9割がロゼです。フランスのAOPのロゼの40〜45%、世界のロゼの約5%を造っています。

  • サント・ヴィクトワール:サント・ヴィクトワール山のふもとの産地(2005年認定)。石灰岩と粘土の砂岩の土で、サンソー・グルナッシュ・シラーを中心にした赤とロゼを造ります。

南西地方

  • モンバジヤック:ベルジュラックの、ドルドーニュ川の左岸の産地。1936年にAOCとなった、貴腐の甘口白ワインです。
  • ジュランソン:ピレネー山脈のふもとの丘の産地で、主な品種はプティ・マンサンとグロ・マンサンです。辛口の「ジュランソン・セック」と、甘口の「ジュランソン」があります。秋の暖かく乾いた南風でぶどうがよく熟し、木の上で干しぶどうのようになったぶどうを11月ごろから摘んで造る、「ヴァンダンジュ・タルディヴ(遅摘み)」の甘口もあります。
  • コート・ド・ガスコーニュ:ジェール県を中心にした産地(IGP)。量の9割が白ワインで、爽やかな白で知られます。

サヴォワ

アルプスのふもとに広がる、標高250〜500メートルの山の産地です。ジャケールやアルテスなど、サヴォワらしい品種の白ワインが中心です。

このページの出典(参考にした資料 23件)

このページは、国や公的機関、業界団体、造り手、研究機関などの資料で確かめたことをもとに、店の言葉でまとめています。リンク先は2026年10月に確かめたもので、その後に移ったり変わったりしていることがあります。外国語の資料もあります。

  1. INAO AOP inao.gouv.fr
  2. IGP inao.gouv.fr
  3. ヴァン・ド・フランス Anivin vindefrance.com
  4. シャンパーニュ委員会 champagne.fr
  5. BIVB bourgogne-wines.jp
  6. ボジョレー beaujolais.com
  7. CIVB bordeaux.com
  8. INAO仕様書 extranet.inao.gouv.fr
  9. ローヌ vins-rhone.com
  10. アルザス vinsalsace.com
  11. リムー委員会 limoux-aoc.com
  12. INAO リヴザルト仕様書 extranet.inao.gouv.fr
  13. CIVP vinsdeprovence.com
  14. サント・ヴィクトワール vinsdeprovence.com
  15. モンバジヤック vins-bergeracduras.fr
  16. ジュランソン INAO仕様書 extranet.inao.gouv.fr
  17. コート・ド・ガスコーニュ INAO仕様書 extranet.inao.gouv.fr
  18. INAO仕様書 extranet.inao.gouv.fr
  19. INAO シャンパーニュ仕様書 extranet.inao.gouv.fr
  20. INAO 仕様書 extranet.inao.gouv.fr
  21. シャンパーニュ委員会 champagne.fr
  22. シャンパーニュ委員会 champagne.fr
  23. INAO ジュランソンの紹介ページ inao.gouv.fr

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