スコットランドの高地の蒸溜所(イメージ)
※イメージ(AIで作成)

ウイスキーは、国ごとに決まりがあります

5つの国の、主な決まり
  • スコッチスコットランド熟成スコットランドで3年以上(700L以下のオーク樽)度数40%以上加えてよいもの水とカラメルだけ
  • ジャパニーズ日本(業界の基準)熟成日本国内で3年以上(700L以下の木の樽)度数40%以上原料麦芽・穀物・日本国内の水(麦芽は必ず)
  • アメリカンアメリカ(バーボン)原料とうもろこし51%以上熟成内側を焦がした新しいオーク樽。「ストレート」は2年以上加えてよいもの色や香りは加えられない
  • アイリッシュアイルランド島熟成島の中で3年以上(700L以下の木の樽)度数40%以上加えてよいもの水とカラメルだけ
  • カナディアンカナダ熟成小さな木の樽で3年以上度数40%以上加えてよいもの香りづけのものも認められる

くわしい決まりは、下の国ごとの説明をご覧ください。

ウイスキーの主な産地には、スコットランド、日本、アメリカ、アイルランド、カナダがあります。それぞれの国が、原料・蒸溜・熟成の決まりを法律や業界の基準で定めています。

スコッチウイスキー(スコットランド)

決まり

スコットランドの法律(2009年スコッチウイスキー規則)で、次のように決められています。

  • スコットランドの蒸溜所で、水と大麦麦芽(ほかの穀物も使える)から造る
  • 蒸溜したときのアルコール分は94.8%未満
  • 700リットル以下のオーク樽で、スコットランドの中で3年以上熟成させる
  • 加えてよいのは、水と、色をととのえるカラメルだけ
  • アルコール分は40%以上

5つの種類

シングルモルト、シングルグレーン、ブレンデッドモルト、ブレンデッドグレーン、ブレンデッドの5つに分けられます。シングルモルトは、1つの蒸溜所で、水と大麦麦芽だけを原料に、ポットスチルで蒸溜したものです。

産地

産地特徴
スペイサイドスペイ川の流域。世界でいちばん蒸溜所が集まる地域。ピートはひかえめで果実味が豊か。リンゴ・洋ナシ・はちみつ・バニラのような香り。シェリー樽で熟成させるものも多い
ハイランドスコットランドの北部の広い地域で、島々も含む。味わいはとても多彩
アイラ(島)ピートを強く効かせた、力強くスモーキーなウイスキー
ローランド南部。近年、新しい蒸溜所が増えている
キャンベルタウン塩気・スモーク・果実・バニラ・トフィーを思わせる味わい

ラベルに地域の名前を書けるのは、その地域で蒸溜したウイスキーだけです。「アイランズ(島々)」という呼び方もよく使われますが、正式な地域名ではなく、ハイランドに含まれます。

店で扱う蒸溜所の例

蒸溜所場所
ボウモアアイラ島アイラ島でいちばん古く、スコットランドで2番目に古い蒸溜所(1779年から)
アードベッグアイラ島1815年から
ラフロイグアイラ島の南の海岸
ザ・マッカランスペイサイド(スペイ川のほとり)1824年に蒸溜の免許を受ける
グレングラントスペイサイド1840年、ジョンとジェームズのグラント兄弟が創業。背の高い細身のポットスチル
グレンモーレンジィハイランド1843年から。キリンと同じくらいの高さの蒸溜器
ジュラジュラ島1810年から。スコットランドでも指折りの背の高い蒸溜器
山のふもとの日本の蒸溜所(イメージ)
※イメージ(AIで作成)

ジャパニーズウイスキー(日本)

「ジャパニーズウイスキー」の基準

日本の酒税法では、ウイスキーの原酒に、ほかのお酒(アルコール・スピリッツ)や香りづけのものを加えたものも、原酒のアルコール分が、全体のアルコール分の10%以上あればウイスキーになります。

日本洋酒酒造組合は、2021年(令和3年)2月に「ジャパニーズウイスキー」と名乗るための基準を定め、4月1日から実施しています。

  • 原料は、麦芽・穀物・日本国内でとった水だけ(麦芽は必ず使う)
  • 糖化・発酵・蒸溜は、日本国内の蒸溜所で行う
  • 蒸溜したときのアルコール分は95%未満
  • 700リットル以下の木の樽に詰め、日本国内で3年以上貯蔵する
  • 日本国内で瓶に詰め、アルコール分は40%以上
  • 色をととのえるカラメルは使える

この基準に合わないウイスキーに、日本を思わせる人名・地名・国旗・元号などを書いて、ジャパニーズウイスキーと誤解させることも禁じられています。

日本の主な蒸溜所

蒸溜所場所
山崎(サントリー)大阪府島本町。京都の南西、天王山のふもと1923年に建設を始め、1924年に完成した、日本最古のモルトウイスキー蒸溜所。千利休も茶室を構えた名水の地
白州(サントリー)山梨県北杜市。南アルプス・甲斐駒ヶ岳のふもと1973年完成。「森の蒸溜所」
余市(ニッカ)北海道余市町1934年、創業者の竹鶴政孝が理想の地を求めて建てたニッカ最初の蒸溜所。石炭を直接くべて加熱する、今では世界でもめずらしい「石炭直火蒸溜」
宮城峡(ニッカ)宮城県仙台市の西、広瀬川と新川の流れる峡谷1969年。蒸気でゆっくり蒸溜する。カフェ式連続式蒸溜機(カフェスチル)も持つ
富士御殿場(キリン)静岡県御殿場市1973年から。モルトとグレーンの両方を造り、仕込みから瓶詰めまで一か所で行う、世界でもめずらしい蒸溜所
嘉之助鹿児島県日置市。東シナ海と吹上浜の前2017年。3基のポットスチルと、米焼酎を寝かせた樽を焼き直した「焼酎リチャー樽」
マルス津貫(本坊酒造)鹿児島県2016年

信州のウイスキー マルス駒ヶ岳蒸溜所

本坊酒造のマルス駒ヶ岳蒸溜所は、長野県上伊那郡宮田村、中央アルプス駒ヶ岳のふもと、標高798メートルの地にあります。ウイスキー造りにいちばん合った自然を求めて、1985年(昭和60年)に開かれました。

  • 1949年(昭和24年) 本坊酒造がウイスキーの製造を始める
  • 1960年(昭和35年) 山梨の工場に、岩井喜一郎の設計による蒸溜設備をつけ、モルト原酒の製造を始める
  • 1985年(昭和60年) 宮田村に信州の蒸溜所を開く
  • 1992年(平成4年) 蒸溜を休む
  • 2011年(平成23年) 蒸溜を再開
  • 2016年(平成28年) 鹿児島にマルス津貫蒸溜所を開く
  • 2024年(令和6年)3月1日 「マルス信州蒸溜所」から「マルス駒ヶ岳蒸溜所」に名前を改める

店では、シングルモルト駒ヶ岳、岩井トラディション、越百(こすも)、ツインアルプスなど、マルスのウイスキーを多くお取り扱いしています。

アメリカの熟成庫ととうもろこし畑(イメージ)
※イメージ(AIで作成)

アメリカンウイスキー(アメリカ)

決まり

アメリカの連邦規則で、種類ごとに決められています。

種類主な決まり
バーボンとうもろこしを51%以上使い、80%以下で蒸溜し、内側を焦がした新しいオーク樽に62.5%以下で詰めて熟成。アメリカで造ったものだけが名乗れる「アメリカの特産品」。色や香りを加えることはできない
ライウイスキーライ麦を51%以上使う(蒸溜と樽の決まりはバーボンと同じ)
コーンウイスキーとうもろこしを80%以上使う
ストレート(ストレート・バーボンなど)上の条件で、2年以上熟成させたもの
ボトルド・イン・ボンド同じ蒸溜所で同じ時期に蒸溜し、4年以上熟成、アルコール分50%で瓶詰めしたもの

テネシーウイスキー

テネシー州の法律(2013年)で決められたウイスキーです。テネシー州で造り、とうもろこしを51%以上使い、樽で寝かせる前に、カエデの炭でろ過します。

ジャック・ダニエルは、テネシー州リンチバーグの蒸溜所で1866年から造られています。サトウカエデを焼いた炭を約3メートル(10フィート)の高さに詰め、その中を一滴ずつ通してろ過するのが特徴で、バーボンではなく「テネシーウイスキー」です。

店で扱う蒸溜所の例

  • フォアローゼズ:2種類の原料の配合(マッシュビル)と5種類の酵母を組み合わせ、10種類のバーボンの原酒を造り分けています。
  • ワイルドターキー:ケンタッキー州ローレンスバーグ、ケンタッキー川を見下ろす丘の上にあります。

アイリッシュウイスキー(アイルランド)

決まり

  • 北アイルランドを含むアイルランド島で蒸溜する
  • 蒸溜したときのアルコール分は94.8%未満
  • 700リットル以下の木の樽で、島の中で3年以上熟成させる
  • アルコール分は40%以上。加えてよいのは水とカラメルだけ

アイルランドならではの「ポットスチル・アイリッシュ」

大麦麦芽を30%以上、発芽させていない大麦を30%以上使い、ポットスチルで蒸溜するウイスキーです。3回蒸溜するのが伝統です(2回も認められています)。

ほかに、モルト(大麦麦芽100%)、グレーン、ブレンデッドがあります。

店で扱う蒸溜所の例

  • ブッシュミルズ:アントリム州ブッシュミルズ村。1608年に、国王ジェームズ1世がこの地域でのお酒(スピリッツ)の蒸溜と販売の免許を与えた歴史を持ち、3回蒸溜で造られています。

カナディアンウイスキー(カナダ)

カナダの食品の基準で、穀物から造り、小さな木の樽で3年以上熟成させること、糖化・蒸溜・熟成をカナダの中で行うこと、アルコール分40%以上であることが決められています。香りづけのものを加えることも認められています。

このページの出典(参考にした資料 28件)

このページは、国や公的機関、業界団体、造り手、研究機関などの資料で確かめたことをもとに、店の言葉でまとめています。リンク先は2026年10月に確かめたもので、その後に移ったり変わったりしていることがあります。外国語の資料もあります。

  1. Scotch Whisky Regulations 2009 第3条 legislation.gov.uk
  2. スコッチウイスキー協会 scotch-whisky.org.uk
  3. ボウモア bowmore.com
  4. アードベッグ ardbeg.com
  5. ラフロイグ laphroaig.com
  6. マッカラン themacallan.com
  7. グレングラント glengrant.com
  8. グレンモーレンジィ glenmorangie.com
  9. ジュラ jurawhisky.com
  10. 日本洋酒酒造組合 yoshu.or.jp
  11. 国税庁 通達 nta.go.jp
  12. サントリー 山崎 suntory.co.jp
  13. 白州 suntory.co.jp
  14. ニッカ 余市 nikka.com
  15. 宮城峡 nikka.com
  16. キリン kirin.co.jp
  17. 嘉之助 kanosuke.com
  18. 本坊酒造 沿革 hombo.co.jp
  19. 蒸溜所 hombo.co.jp
  20. 27 CFR 5.143 ecfr.gov
  21. 27 CFR 5.88 ecfr.gov
  22. テネシー州 司法長官意見書 tn.gov
  23. ジャック・ダニエル jackdaniels.com
  24. フォアローゼズ fourrosesbourbon.com
  25. ワイルドターキー wildturkeybourbon.com
  26. Irish Whiskey Technical File assets.gov.ie
  27. ブッシュミルズ bushmills.com
  28. inspection.canada.ca

20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています。
妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
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