芋と単式蒸留機のある焼酎蔵(イメージ)
※イメージ(AIで作成)

焼酎は、日本で生まれ育った蒸留酒です

焼酎は、お酒のもとになる「もろみ」を蒸留して造るお酒です。芋・麦・米・そば・黒糖など、原料の数だけ香りと味わいがあります。

蒸留の技術は、まず琉球王国(沖縄)に伝わり(シャム=今のタイから伝わったという説がよく知られていますが、中国の福建から伝わったという説もあります)、16世紀には鹿児島へ伝わりました。

2つの種類 連続式と単式

焼酎は、蒸留のしかたで2つに分けられます。

種類蒸留のしかたアルコール分特徴
連続式蒸留焼酎(焼酎甲類・ホワイトリカー)連続式蒸留機で蒸留する36度未満原料の香りがほとんど残らない、すっきりとくせのない味わい。果実酒づくりやサワー、カクテルにも
単式蒸留焼酎(焼酎乙類・本格焼酎)昔ながらの単式蒸留機で、多くは1回だけ蒸留する45度以下原料の香りと味わいがよく残る

連続式蒸留機は1830年にアイルランドで生まれ、日本では1900年ごろに初めて造られたといわれます。

本格焼酎(ほんかくしょうちゅう)

単式蒸留焼酎のうち、決められた原料だけで造ったものが「本格焼酎」を名乗れます。

  • 穀類(米・麦など)や芋類と、そのこうじ、水
  • 穀類のこうじと水(米焼酎など)
  • 清酒かす(粕取り焼酎)
  • 黒糖と米こうじ、水(黒糖焼酎)
  • 上のものに、国が指定したもの(緑茶・くり・こんぶ・しそ・ごまなど)を加えたもの(加える量は、穀類・芋類・こうじの合計を超えないこと)

造り方

本格焼酎ができるまで仕込みは一般に9月から12月ごろ
  1. こうじ造り米や麦などにこうじ菌を育てる(約2日)
  2. 一次もろみこうじに水と酵母を加え、酵母を増やす(約30℃で3〜8日)
  3. 二次もろみ蒸した芋や麦などと水を加え、糖化と発酵(約2週間、14〜20度)
  4. 蒸留単式蒸留機で1回が一般的(37〜43度ほど)
  5. 貯蔵・熟成タンクで寝かせる。かめや樽で長く熟成させるものも
  6. 割水・瓶詰め多くは20〜25度にして詰める

  1. こうじ造り:米や麦などにこうじ菌を育てる(約2日)
  2. 一次もろみ:こうじに水と酵母を加え、酵母を増やす(約30℃で3〜8日)
  3. 二次もろみ:蒸した芋や麦などの主原料と水を加えて、糖化と発酵を同時に進める(約2週間。アルコール分は14〜20度に)
  4. 蒸留:単式蒸留機で1回蒸留するのが一般的。アルコール分は37〜43度ほどになる
  5. 貯蔵・熟成:浮いた油分を取り除き、タンクで寝かせる。かめや樽で長く熟成させるものもある
  6. 割水・瓶詰め:水を加えて、多くは20〜25度にして瓶に詰める

焼酎の仕込みは一般に9月から12月ごろ。新しい焼酎は前の年から寝かせた焼酎と合わせて、10月の終わりから11月のはじめに多く出荷されます。11月1日は「本格焼酎・泡盛の日」です。

3つのこうじ

こうじ特徴
黒こうじクエン酸を作ってもろみを酸性にし、雑菌が増えるのを抑える。暖かい南九州や沖縄の焼酎造りを支えてきた
白こうじ黒こうじの仲間。20世紀のはじめから焼酎造りに使われてきた
黄こうじ日本酒造りに使われるこうじ。100年ほど前までは焼酎にも広く使われ、最近また使う蔵もある

常圧蒸留と減圧蒸留

常圧蒸留と減圧蒸留
  • 常圧蒸留じょうあつ蒸留のしかたふつうの気圧のまま、高い温度で味わいたくさんの成分が移り、香りや味わいが豊か多いもの芋焼酎・黒糖焼酎
  • 減圧蒸留げんあつ蒸留のしかた気圧を下げて、低い温度で味わい軽やかで、やわらか多いもの麦焼酎の軽いタイプ
  • 常圧蒸留(じょうあつ):ふつうの気圧のまま、高い温度で蒸留する方法。たくさんの成分が移り、香りや味わいの豊かな焼酎になります。
  • 減圧蒸留(げんあつ):蒸留機の中の気圧を下げ、低い温度で蒸留する方法。軽やかでやわらかな焼酎になります。

芋焼酎や黒糖焼酎は常圧蒸留が多く、麦焼酎は減圧蒸留の軽いタイプが多いとされます。

芋・麦・米・そば・黒糖など焼酎の原料(イメージ)
※イメージ(AIで作成)

原料ごとの味わい

原料香りと味わい主な産地
芋(さつまいも)甘い香り。芋の品種で味わいが大きく変わる。お湯割りにすると香りと甘みが豊かに鹿児島県、宮崎県南部
麦(大麦)繊細な香りと、まろやかな甘み。減圧蒸留だと軽く、常圧蒸留だと香ばしく長崎県壱岐、大分県 など
米炊きたてのご飯のような香り。蒸留や熟成のしかたでタイプの差が大きい熊本県人吉・球磨地方 など
そばフレッシュで軽やかな香り宮崎県高千穂地方、長野県 など
黒糖黒糖の甘い香りに、わずかな酸味とココナッツのような風味。見た目より後味はさっぱり鹿児島県奄美群島だけ
清酒かす(粕取り焼酎)主に日本酒の蔵が造る各地

黒糖焼酎は奄美群島だけ

黒糖を原料にしたお酒は、本来の税の区分ではラム酒にあたります。昭和28年に奄美群島が日本に復帰したとき、米こうじを使うことを条件に、奄美群島(大島税務署の管内)でだけ、黒糖焼酎を造ることが認められました。

産地の名前のGI(地理的表示)

名前産地主な決まり
薩摩(さつま)鹿児島県(奄美市・大島郡を除く)県内でとれたさつまいもだけを使う
球磨(くま)熊本県球磨郡・人吉市国内産の米だけを使う
壱岐(いき)長崎県壱岐市大麦と米こうじ(おおむね2対1)、壱岐の水
琉球(りゅうきゅう)沖縄県黒こうじ菌の米こうじだけ(泡盛)
東京島酒(とうきょうしまざけ)伊豆諸島麦こうじを使う本格焼酎

焼酎の飲み方

  • お湯割り:器に先にお湯を入れ、あとから焼酎を注ぎます。温かいお湯が上にのぼって、自然によく混ざります。焼酎6・お湯4の「ロクヨン」なら、25度の焼酎がおよそ15度、日本酒のお燗と同じくらいになります。
  • 鹿児島の燗:鹿児島では、水で割った焼酎を「黒ぢょか」に入れて1〜2日なじませ、火にかけて温める飲み方が受け継がれています。
  • 水割り:グラスに氷、焼酎、水の順に入れて軽く混ぜます。割ったあとのアルコール分は10〜15度くらいがおすすめです。
  • ストレート・ロック:香りを楽しんでから少しずつ口に含みます。チェイサー(お水)をそばに置いてどうぞ。
  • 炭酸割り・カクテルも楽しめます。
お湯割りの「ロクヨン」
焼酎 6お湯 4

25度の焼酎なら、およそ15度。日本酒のお燗と同じくらいです。

器に先にお湯を入れ、あとから焼酎を注ぐと、自然によく混ざります。

酒蔵ものがたりで読む

  • 第27回「岩井喜一郎(もう一人のジャパニーズウヰスキーの父)」:焼酎の甲類・乙類と連続式蒸留のはじまり 2027年4月30日に公開予定
  • 第2回「御湖鶴」:日本酒と焼酎のちがい
  • 第40回「真澄『すずみ酒』」:こうじのはなし 2027年7月30日に公開予定
このページの出典(参考にした資料 5件)

このページは、国や公的機関、業界団体、造り手、研究機関などの資料で確かめたことをもとに、店の言葉でまとめています。リンク先は2026年10月に確かめたもので、その後に移ったり変わったりしていることがあります。外国語の資料もあります。

  1. 観光庁 多言語解説文データベース「泡盛」 mlit.go.jp
  2. 東京国税局 nta.go.jp
  3. 酒類総合研究所「焼酎の概要」 nrib.go.jp
  4. 鹿児島県大島支庁「奄美群島の概況」第10章 pref.kagoshima.jp
  5. 国税庁 GI一覧と各生産基準 nta.go.jp

20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています。
妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
飲酒運転は法律で禁止されています。お酒は適量を。