
お米・水・こうじ・酒母
日本酒は、
昔から
酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)とは
日本酒に
酒米には、
- 粒が
大きい :日本酒では、 お米の 外側を 3割から、 多い ものでは 半分以上も 削ります。 粒が 大きく 割れにくいほど、 よく 磨く ことができます。 - たんぱく
質や :脂質が 少ない たんぱく 質が 多すぎると 雑味やく どさに、 脂質は 吟醸酒 の華やかな 香りが 生まれるのを さまた げる 原因に なります。 - 中心に
「心白 :(しんぱく)」が ある くわしくは 次で ご紹介します。
一方で、
心白(しんぱく) お米の中心の白いところ
酒米を
心白の
- 外側たんぱく
質や 脂質が 多い。 多すぎると 雑味やく どさの もとに なるので、 精米で 削る - 心白
(中心の でんぷんの白い ところ) 粒が ゆるく 詰まり、 すき間が 多い。 水が 入りやすく、 こうじ菌の 菌糸が 中心まで 入りこみやすい - 粒が
大きい 割れにくく、 よく 磨く ことができる
お米の「等級」
酒米は、
純米酒や
主な酒米
酒米の
| 品種 | 生まれ | 特徴 |
|---|---|---|
| 雄町 | 江戸時代の | 現存する |
| 山田錦 | 1923年に | 「山田穂」と |
| 五百万石 | 新潟県の | 「菊水」と |
| 美山錦 | 1978年、 | 寒さに |
雄町は、
信州生まれの酒米
長野県の
- たかね錦:
1939年に 生まれた、 長野県の 酒米の 草分けです。 今は 使う 蔵が ごく わずかですが、 美山錦の 親に あたります。 - 金紋錦
(きんもんにしき) :たかね錦と 山田錦を 親に もつ、 昭和30年代生まれの 酒米です。 背が 高く 育てにくく 「幻の 米」と いわれてきましたが、 地元・ 飯山市の 蔵などから 使う 動きが 広がり、 ふたたび注目されるように なりました。 - 美山錦:
たかね錦に ガンマ線を 当てて 生まれた 変わり もの (突然変異) から 選び出された 品種です。 寒さに 強い ことから、 長野県の 外にも 広がりました。 - ひと
ごこち :1995年に 生まれ、 1997年に 品種登録されました。 美山錦とくらべて 粒が 大きく 厚みが あり、 心白の 出る 割合も 高く、 背が 低めで 倒れにくい品種です。 - 山恵錦
(さんけいにしき) :「信交酒545号」の 名で 育てられ、 2020年に 品種登録された 新しい 酒米です。 長野県の 試験場と 工業技術総合 センター、 信州大学が、 こうじの 造りやすさを 調べる 新しい 方法を 使いながら 育てました。 長野県で 作りやすく、 標高700mを 越える 涼しい 土地でも、 山田錦と 同じ くらい質の 良い お米が とれたと 報告されています。 大粒で 心白が 大きく、 精米で 割れにくく、 もろみで 溶けやすいのが 特徴です。
長野県では、
ラベルの品種名
ラベルに
精米と味わい
- 100%玄米削る
前 - 90%ふだんの
ご飯の 1割ほどお米 削る (約90%) - 70%本醸造酒70%以下
- 60%吟醸酒・
純米吟醸酒 60%以下 - 50%大吟醸酒・
純米大吟醸酒 50%以下
江戸時代の
お米の
今のように
お米を

水 仕込み水と硬水・軟水
日本酒の
酒造りに向く水
- 鉄分が
とても :少ない こと 鉄が 多いと、 お酒が 赤茶色に 色づき、 香りや 味も 悪くなります。 酒造りの 水では、 鉄の 量に 水道水より ずっと きびしい 目安が あります。 - カリウムや
マグネシウム、 :リンを 含む こと 酵母や こうじ菌が 元気に 育つための 栄養に なり、 発酵を 助けます。
硬水と軟水
水に
- 灘の
「宮水 :(みやみず)」 兵庫県西宮市で、 江戸時代の 終わり (1840年ごろ)に 見つかった 井戸水です。 いく つかの 伏流水が 合わさって、 発酵を 助ける ミネラルが 豊かで、 鉄分の 少ない 水に なります。 宮水を 使うと 発酵が 力強く 進む ことから、 灘の 酒造りに 使われてきました。 - 「灘の
男酒、 :伏見の 女酒」 京都の 伏見の 蔵の 多くは 軟水を 使い、 口当たりの やわらかい お酒が 「女酒」と 呼ばれてきました。 硬めの 水で 造る 灘の お酒は 「男酒」と 呼ばれます。 - 軟水での
酒造り :軟水は 発酵が ゆっくりで、 昔は うまく 造るのが むずかしい 水でした。 明治時代に 広島の 三浦仙三郎が、 低い 温度で じっくり 発酵させる 工夫を 重ね、 明治31年 (1898年)に その 方法を まとめて、 仲間の 蔵に 公開しました。 その後、 広島の お酒は 博覧会や 品評会で 高い 評価を 受けるように なりました。
長野県の
- 硬水硬度が
高い 発酵 力強く進み、 力強い お酒に 例 灘の「宮水」。 灘の お酒は 「男酒」 - 軟水硬度が
低い 発酵 ゆっくり進み、やさしい 口当たりに 例 伏見の蔵の 多く。 伏見の お酒は 「女酒」
長野県の
こうじのはたらき
こうじは、
- でんぷんを
糖に :変える 酵母は お米のでんぷんを そのままでは 食べられません。 こうじの 酵素が でんぷんを ブドウ糖に 変える ことで、 はじめて 酵母が アルコールを 造れます。 - たんぱく
質を :うまみに 変える こうじの 酵素は、 お米の たんぱく 質を 分解して、 うまみのもとになる アミノ酸なども 生み出します。
こうじの育ち方でも、味が変わる
こうじ菌が
日本酒には

- 突き破精
(つきはぜ) 菌が 向く表面に 点々と 生え、 そこから 中心へ 深く 入り こむ お酒 吟醸酒のような、軽やかな お酒 - 総破精
(そうはぜ) 表面全体に 向く菌が 広がり、 中まで 深く 入り こむ お酒 骨太な味わいの お酒
酒母とは
酒母は
酒母造りで
| 系統 | 造り方 | 乳酸の | 日数の |
|---|---|---|---|
| 生酛系 | 生酛 | 自然の | 約1か |
| 生酛系 | 山廃 | 自然の | 約1か |
| 速醸系 | 速醸 | はじめに | 生酛・ |
生酛・山廃・速醸のあゆみ
- 生酛の
原形 :奈良の 正暦寺 (しょうりゃくじ)で 室町時代に 造られた 「菩提酛 (ぼだいもと)」が、 今の 酒母の 原形と いわれます。 1489年の 記録『御酒之日記 (ごしゅのにっき)』には、 酒母を 造り、 火入れ をしていた ことが 書かれています。 - 生酛の
完成 :(江戸時代) 江戸時代に、 寒い冬に 仕込み、 桶の 中で 櫂 (かい)を 使って お米と こうじを すりつぶす 「山卸し」を する 生酛が できあがりました。 - 山廃の
誕生 :(1909年) 国の 醸造試験所の 嘉儀金一郎 (かぎ きんいちろう)が、 生酛の 中で いちばん手間の かかる 山卸しを やめる 方法を 考えました。 精米が 進んで 蒸し米が 溶けやすくなっていた ことで、 すり つぶさなくても よくなったのです。 正式には 「山卸廃止酛 (やま お ろ し は い し もと)」、 略して 「山廃」です。 - 速醸の
誕生 :(1910年) 同じ 醸造試験所の 江田鎌治郎 (えだ か まじろう)が、 売られている 乳酸を はじめに 加える 「速醸酛」を 考えました。 早く、 安全に 造れる ことから 広まり、 灘で 速醸が 半分を 超えたのは 第二次世界大戦の あとです。 今は 速醸が 主流です。
この
乳酸菌のはたらき 生酛の中で起きていること
生酛や
- 硝酸還元菌
(しょ :う さ ん か ん げ ん きん) 仕込んだばかりの 冷たい 酒母で、 はじめに 増えます。 仕込み水に 由来すると 考えられ、 雑菌のは たらきを おさえる 亜硝酸を 作ります。 - 乳酸菌
(球菌) :低い 温度でも、 栄養が 少なくても 育つ乳酸菌が 増え、 乳酸を 作りはじめます。 - 乳酸菌
(桿菌) :温度を 少し ずつ上げると、 さらに 多くの 乳酸を 作る 乳酸菌に 入れかわります。 - 清酒酵母:
亜硝酸と 乳酸の 酸っぱさで、 こうじなどから 入った 野生の 酵母は いなくなります。 そこに 清酒酵母が 加わり (または 蔵に すみつく 酵母が 入り)、 アルコールを 造りながら 増えていきます。 アルコールが 増えると、 こんどは 乳酸菌が いなくなります。
できあがった
ちなみに、
生酛系の
- 硝酸還元菌しょうさんかんげんきんはじめに
増え、 雑菌を おさえる 亜硝酸を 作る - 乳酸菌
(球菌) 低い 温度でも 育ち、 乳酸を 作りはじめる - 乳酸菌
(桿菌) 温度を 上げると 入れかわり、 さらに 乳酸を 作る - 清酒酵母
酸っぱい中で 元気に 育ち、 アルコールを 造る
乳酸菌は、
味わいのちがい
- 生酛系:
生酛系の 酒母では、 アミノ酸や ペプチドが 多くなり、 育った 酵母は アルコールに 強く、 たくましくなると いわれます。 生酛の 酒母の アミノ酸の 濃さは、 速醸の 3倍以上に なると いう 報告も あります。 生酛は 「味の ある 辛口の お酒」を 造るのに 向いた 造り方と され、 しっかりとした 味わいの ものが 多く あります。 - 速醸系:
雑菌の 心配が 少なく、 すっきりとした お酒から 華やかな 吟醸酒まで、 さまざまな 酒質に 使われています。
ただし、
ラベルの「生酛」「山廃」
ラベルには
- これらは、
国の 「清酒の 製法品質表示基準」で 条件が 決められた 言葉ではありません。 蔵が、 酒母の 造り方を 伝える ために 書いている ものです。 - 「生酛」は
酒母の 造り方の 名前で、 火入れを しない 「生酒」とは 別の ことがらです。 生酛造りの お酒が、 生酒とは 限りません。 - 酒母の
造り方は、 ラベルに 書かなければならない ものではありません。 今の 酒造りでは、 速醸が 主流です。
店では、
このページの出典(参考にした資料 32件)
この
- 国税庁
「日本の 伝統的な こうじ菌を 使った 酒造り」 技術編 nta.go.jp - 国税庁 歴史編 nta.go.jp
- 国税庁 年表 nta.go.jp
- 国税庁
「清酒の 製法品質表示基準」の 概要 nta.go.jp - 国税庁告示 nta.go.jp
- 農林水産省
「玄米の 検査規格」 maff.go.jp - 農林水産省
「日本酒原料米を めぐる 状況」 令和8年 8月 maff.go.jp - 酒類総合研究所
「日本酒 ラベルの 用語事典」 nrib.go.jp - 酒類総合研究所
「お酒のは なし 清酒1」 nrib.go.jp - 玉田佳大
「酒造好適米の 特徴と その 品種特性」 生物工学 98(1), 2020 sbj.or.jp - 兵庫県
「兵庫の 酒米」 web.pref.hyogo.lg.jp - 岡山県 pref.okayama.jp
- pref.okayama.jp
- 岡山県備前県民局 bizen-omachi.pref.okayama.jp
- 新潟県 pref.niigata.lg.jp
- 長野県農業試験場 育種部 pref.nagano.lg.jp
- 長野県農業試験場 pref.nagano.lg.jp
- 農研機構 naro.go.jp
- Go NAGANO go-nagano.net
- 長野県工業技術総合
センター gitc.pref.nagano.lg.jp - 山梨県総合農業試験場 pref.yamanashi.jp
- 長野県酒造組合 nagano-sake.or.jp
- 日本酒造組合中央会 用語集 japansake.or.jp
- 西宮市 nishi.or.jp
- 西宮市 nishi.or.jp
- 観光庁 多言語解説文 mlit.go.jp
- 東広島市 city.higashihiroshima.lg.jp
- 松澤一幸 生物工学 89(8), 2011 sbj.or.jp
- 山田翼
「生酛の 歴史と 未来」 生物工学 96(12), 2018 sbj.or.jp - 広島県立総合技術研究所 食品工業技術
センター 報告 No.26 pref.hiroshima.lg.jp - 広島県 pref.hiroshima.lg.jp
- 月桂冠 gekkeikan.co.jp
20歳未満の
妊娠中や
飲酒運転は
