甘酒は、お米から生まれる甘い飲みものです

甘酒は、お米から作る、甘くてとろりとした飲みものです。名前に「酒」⁠と付きますが、作り方によって、アルコールを含まないものと、アルコールを含むことがあるものがあります。

甘酒には、大きく分けて2つの作り方があります。

  • 米こうじの甘酒:ご飯に米こうじと水を混ぜ、温かいまま置いて作ります。「麹甘酒(こうじあまざけ)」⁠とも呼ばれます。
  • 酒かすの甘酒:日本酒をしぼったあとに残る酒かすを、お湯に溶かして作ります。「酒粕甘酒(さけかすあまざけ)」⁠とも呼ばれます。

米こうじも酒かすも、日本酒造りと深いつながりがあります。このページでは、2つの甘酒のちがい、作り方、法律の上での扱い、飲むときの注意、季節や行事との関わりをご紹介します。

2つの甘酒のちがい

米こうじの甘酒酒かすの甘酒
おもな原料ご飯(またはおかゆ)⁠・米こうじ・水酒かす・水・砂糖
作り方混ぜて、55〜60℃ほどに保ち、一晩から1日ほど置くお湯に溶かし、砂糖で味をととのえる
甘さのもとこうじのはたらきで、お米のでんぷんから生まれた糖ほとんどが、加えた砂糖
アルコール含まない(アルコール分1%未満)酒かすにアルコールが含まれる

同じ「甘酒」⁠という名前でも、甘さのもとがちがいます。米こうじの甘酒は、砂糖を加えなくても、こうじが作り出す自然な甘さがあります。酒かすの甘酒の甘さは、ほとんどが砂糖によるものです。

米こうじの甘酒ができるまで

甘酒ができるまで 米こうじと酒かす同じ「甘酒」⁠でも、甘さのもとがちがう
  1. 材料ざいりょう甘酒は、おもな原料で2つに分かれる。米こうじの甘酒ご飯(またはおかゆ)⁠と、米こうじと、水酒かすの甘酒酒かす(日本酒のもろみをしぼったあとに残る固形分)⁠と、水と、砂糖
  2. 混ぜる・溶かすまぜる・とかす材料を合わせる。米こうじの甘酒ご飯に水と米こうじを入れて、よく混ぜる酒かすの甘酒お湯をわかして酒かすを入れ、弱火にして、よく混ぜて溶かす
  3. 糖化とうかお米のでんぷんを、糖に変える。米こうじの甘酒ふたをして55〜60℃ほどに保つ。こうじのはたらきで、でんぷんがブドウ糖などの糖に変わる酒かすの甘酒温度を保って置く工程はない。このまま次へ
  4. 甘さのもとあまさのもと甘さがどこから来るかが、2つの甘酒のいちばんのちがい。米こうじの甘酒こうじが作った糖。砂糖を加えなくても、自然な甘さがある酒かすの甘酒砂糖(好みで少しの塩)⁠で味をととのえる。甘さのほとんどは砂糖
  5. できあがり温めても、冷やしても。米こうじの甘酒アルコールを含まない(アルコール分1%未満)。子どもから大人まで飲める酒かすの甘酒酒かすにアルコールが含まれる。飲めない人もいる

アルコール分1度(1%)以上の飲みものは、法律の上では「お酒(酒類)」⁠です。米こうじの甘酒も、酵母を加えて発酵させ、1度以上にすれば、お酒を造ったことになります。

材料

米こうじの甘酒の材料は、ご飯(またはおかゆ)⁠と、米こうじと、水です。

米こうじは、蒸したお米に、こうじ菌を育てたものです。日本酒造りでは、お米のでんぷんを糖に変える役目を受け持っています(くわしくは日本酒の造り方へ)。こうじ菌は、日本酒・焼酎・みそ・しょうゆ・甘酒など、古くからいろいろな食べものや飲みものの製造に使われてきました。

混ぜて、温かいまま置く

ご飯に水と米こうじを入れて、よく混ぜます。ふたをして、55〜60℃ほどの温度に保ちながら、一晩から1日ほど置きます。

こうじが、でんぷんを糖に変える

温かいまま置いているあいだに、こうじのはたらきで、お米のでんぷんがブドウ糖などの糖に変わっていきます。でんぷんを糖に変えることを「糖化(とうか)」⁠といいます。

日本酒造りでは、この糖を酵母がアルコールに変えます。米こうじの甘酒は、アルコールを生み出す酵母を加えずに作るので、糖化で生まれた甘さを、そのまま味わう飲みものです。

酒かすの甘酒の作り方

酒かすとは

日本酒は、発酵を終えたもろみをしぼって、液体のお酒と、固形の酒かすに分けます。この固形の部分が酒かすです。酒かすには、アルコールが含まれています。

作り方

お湯をわかして酒かすを入れ、弱火にして、よく混ぜて溶かします。砂糖(好みで少しの塩)⁠で味をととのえれば、できあがりです。

酒かすの甘酒の甘さは、ほとんどが加えた砂糖によるものです。

法律の上での甘酒

日本の酒税法では、アルコール分1度以上の飲みものを「酒類(しゅるい)」、つまりお酒としています。アルコール分1度は、アルコール分1%のことです。

米こうじの甘酒は、アルコール分1%未満とされていて、法律の上ではお酒ではありません。家庭での作り方も、農林水産省の案内などで紹介されています。

ただし、甘酒を作るつもりでも、酵母を加えて発酵させ、アルコール分1度以上の飲みものにすれば、法律の上ではお酒を造ったことになります。お酒の製造免許を持たずにお酒を造ることはできません(くわしくはどぶろくへ)。

ひな祭りの「白酒(しろざけ)」⁠も、甘酒とはちがう、れっきとしたお酒です。家庭で白酒を造ることはできません。

飲むときの注意

酒かすの甘酒には、アルコールが含まれることがあります

酒かすにはアルコールが含まれています。そのため、農林水産省の案内でも、酒かすの甘酒は「飲めない人がいる」⁠とされています。

一方、米こうじの甘酒は、アルコールを含まないので、子どもから大人まで飲めるとされています。

お子さま、車を運転する方、アルコールに弱い方など、アルコールを控えたい方は、米こうじの甘酒を選ぶと安心です。

妊娠中や授乳中は、お酒を飲まないことがすすめられています。気になる方は、米こうじの甘酒を選ぶか、商品のラベルで原材料やアルコールの表示を確かめてください。

商品は、ラベルの表示を確かめて

市販の甘酒を選ぶときは、ラベルの原材料を見てください。「米こうじ」「酒かす」⁠のどちらが書かれているかで、どちらの甘酒かが分かります。

甘酒の歩みと季節

古くから飲まれてきた甘い飲みもの

甘酒の始まりには、いろいろな説があります。奈良時代にまとめられた『日本書紀』⁠には、米こうじから作る甘いお酒「天舐酒(あまのたむざけ)」⁠が出てきます。アルコールが少なく、今のお酒よりも甘酒に近いものだったと考えられています。

江戸の夏の飲みもの

甘酒が多くの人に広く飲まれるようになったのは、江戸時代です。今は冬やお正月に飲むものという印象がありますが、江戸時代には、とくに夏の飲みものとして人気を集め、町には甘酒売りが多く見られたといわれています。夏の暑さを乗り切るために、甘酒が飲まれていました。

「甘酒」⁠は夏の季語

俳句では、「甘酒」⁠は夏の季語です。夏の歳時記に載っています。

ひな祭りと、白酒・甘酒

3月3日のひな祭り(桃の節句)⁠には、白酒を飲む風習があります。白酒は、蒸したもち米と米こうじ、焼酎などを仕込んで、1か月ほど熟成させたもろみをすりつぶして造るお酒で、アルコール分は10%前後あります。甘酒とは、まったく別のものです。

白酒はお酒なので、子どもには、アルコールを含まない甘酒などが、すすめられています。白酒の代わりに甘酒を作って、ひな祭りを祝ってきた土地もあります。

土地ごとの甘酒

みそやしょうゆなど、こうじの発酵の文化が根づいた土地では、米こうじの甘酒がよく飲まれる傾向があります。酒かすは日本酒造りから生まれるので、酒蔵の多い土地では、酒かすの甘酒がよく作られる傾向があります。

楽しみ方と保存

楽しみ方

  • 温めて:寒い季節には、温めて。酒かすの甘酒は、お湯に溶かして作るので、できたてを温かいうちに。
  • 冷やして:夏は、冷やして飲むのもおすすめです。
  • 飲みくらべ:米こうじの甘酒と酒かすの甘酒は、甘さのもとがちがうので、味わいもちがいます。2つを飲みくらべてみるのも楽しみのひとつです。

保存

  • 市販の甘酒:ラベルの保存方法と期限の表示にしたがってください。「要冷蔵」「10℃以下で保存」などと書かれたものは、必ず冷蔵庫に入れます。密封された袋や容器のものでも、表示を守らずに常温に置くのはやめましょう。
  • 家で作った甘酒:早く冷えるよう浅い容器に小分けして、冷蔵庫(10℃以下が目安)⁠に入れ、早めに飲みきってください。
このページの出典(参考にした資料 18件)

このページは、国や公的機関、業界団体、造り手、研究機関などの資料で確かめたことをもとに、店の言葉でまとめています。リンク先は2026年10月に確かめたもので、その後に移ったり変わったりしていることがあります。外国語の資料もあります。

  1. 農林水産省 消費者の部屋 maff.go.jp
  2. 農林水産省 消費者の部屋 maff.go.jp
  3. 農林水産省 にっぽん伝統食図鑑「飲料」⁠ maff.go.jp
  4. 農林水産省 aff 2018年12月号 特集2 甘酒 maff.go.jp
  5. 酒類総合研究所 エヌリブ No.02「麹」⁠ nrib.go.jp
  6. 酒類総合研究所「発酵食品『酒粕』⁠の機能性成分と健康効果」⁠ nrib.go.jp
  7. 日本酒造組合中央会 用語集 japansake.or.jp
  8. 酒税法 第2条第1項 laws.e-gov.go.jp
  9. 国税庁 Q&A nta.go.jp
  10. 日本酒造組合中央会「四季折々の楽しみ方」⁠ japansake.or.jp
  11. 国立国会図書館 レファレンス協同データベース crd.ndl.go.jp
  12. 国立国会図書館 レファレンス協同データベース crd.ndl.go.jp
  13. 農林水産省「お家で祝うひなまつり!」⁠ maff.go.jp
  14. 農林水産省 北海道農政事務所「2月から3月の行事と料理」⁠ maff.go.jp
  15. 食品安全委員会「お母さんになるあなたへ」⁠ fsc.go.jp
  16. 東京都「TOKYO女子けんこう部」⁠ hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp
  17. 厚生労働省 リーフレット mhlw.go.jp
  18. 厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」⁠ mhlw.go.jp

20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています。
妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
飲酒運転は法律で禁止されています。お酒は適量を。