黒糖焼酎は、奄美群島だけで造られる焼酎です
黒糖焼酎は、黒糖と米こうじで造る本格焼酎です。
鹿児島県と沖縄県のあいだに浮かぶ奄美群島(喜界島・奄美大島・徳之島・沖永良部島・与論島)でだけ、造ることが認められています。
黒糖の甘い香りのなかに、ほのかな酸味と、ココナッツのような風味があります。
香りから思うよりも、後味はさっぱりとしています。
蒸留したお酒なので、黒糖の糖分は焼酎には残りません。
黒糖焼酎の歩み
泡盛から始まった島のお酒
奄美群島は、琉球王国、薩摩藩、そして戦後のアメリカ軍の統治と、3つの時代を経てきました。島のお酒も、その歴史とともに歩んできました。
焼酎造りの始まりははっきりしませんが、16世紀の半ばには、泡盛が飲まれていたとされます。
江戸時代は、お米で造る泡盛が中心でした。
江戸時代の終わりに薩摩藩士の名越左源太(なごや さげんた)が書いた『南島雑話』には、さとうきびのしぼり汁を入れた焼酎のことが書かれていて、黒糖焼酎のもとの姿とされています。
島の酒造所
大正時代、沖縄の技術者に教わって、奄美で初めての酒造所が沖永良部島にできました。
大正5年(1916年)からは、喜界島・名瀬・徳之島などに、次々と酒造所が生まれました。
戦争と、お米の不足
戦争のころからアメリカ軍の統治のあいだは、お米が足りず、泡盛を造ることがむずかしくなりました。
島の名産の黒糖も、島の外へ出すことが制限されました。
そこで島の人々は、お米の代わりに黒糖などを使って、お酒を造るようになりました。
昭和28年、黒糖焼酎が生まれる
黒糖など砂糖を原料にしたお酒は、本来の税の区分では「ラム酒」にあたり、焼酎よりもずっと高い税がかかります。
昭和28年(1953年)、奄美群島が日本に復帰したとき、島の造り手を守り育てるため、「米こうじを使うこと」を条件に、奄美群島(大島税務署の管内)でだけ、黒糖で焼酎を造ることが認められました。
法律の上では、このとき黒糖焼酎が生まれたとされています。
今の黒糖焼酎
今、奄美群島には、黒糖焼酎の24の蔵元と、1つの共同の瓶詰め工場があります。
焼酎ブームのたびに、造られる量が大きくのびてきました。
黒糖焼酎ができるまで
黒糖焼酎ができるまで米こうじと黒糖で造る、奄美群島だけの焼酎- 1こうじ造りこうじづくりお米を蒸して、こうじ菌を育てる。黒糖焼酎は、米こうじを使うことが決まり。
- 2一次もろみいちじもろみ米こうじに水と酵母を加えて、酵母を増やす。
- 3黒糖を溶かすこくとう奄美群島の名産の黒糖を、溶かして加える準備をする。
- 4二次もろみにじもろみ一次もろみに、溶かした黒糖と水を加えて発酵させる。芋や麦のかわりに、黒糖が主な原料。
- 5蒸留じょうりゅう単式蒸留機で蒸留する。黒糖焼酎は常圧蒸留が多い。黒糖の糖分は焼酎には残らない。
- 6貯蔵・割水ちょぞう・わりみずタンクなどで寝かせてまろやかにし、原酒を合わせたり水を加えたりして味をととのえる。
黒糖など砂糖を原料にしたお酒は、本来はラム酒の区分です。昭和28年(1953年)の奄美群島の日本復帰のとき、米こうじを使うことを条件に、奄美群島でだけ黒糖焼酎を造ることが認められました。
- こうじ造り:お米を蒸して、こうじ菌を育てます。
- 一次もろみ:米こうじに水と酵母を加えて、酵母を増やします。
- 二次もろみ:一次もろみに、溶かした黒糖と水を加えて発酵させます。
- 蒸留:単式蒸留機で蒸留します。黒糖焼酎は常圧蒸留が多いとされます。
- 貯蔵・割水:タンクなどで寝かせてまろやかにし、原酒を合わせたり水を加えたりして味をととのえます。
芋焼酎・麦焼酎と同じく、こうじで一次もろみを造ってから主な原料を加える造り方です。ちがうのは、主な原料が蒸した芋や麦ではなく、黒糖だというところです。
米こうじと黒糖が合わさった味わい
米こうじを使うことで、黒糖からくる南国らしいほのかな甘さと香りに、こうじからくる和の香りが重なります。
奄美群島の島々は、奄美大島と徳之島は深い森と高い山の島、喜界島・沖永良部島・与論島は、さんごが盛り上がってできた島です。
島ごとの気候や風土も、それぞれの味わいの個性になっています。
黒糖焼酎の楽しみ方
独特の香りとまろやかさを楽しめるので、水割りやロックで飲まれることが多いお酒です。
- ロック:黒糖の甘い香りを、すっきりと。
- 水割り:まろやかで、食事にも合わせやすく。
- お湯割り:寒い日には、香りがふわりと立ちます。
焼酎になじみのない方にも、すすめやすい焼酎です。
飲み方は、焼酎のおいしい飲み方 でくわしくご紹介します。
店でも、奄美群島の黒糖焼酎をお取り扱いしています。お気軽にご相談ください。
このページの出典(参考にした資料 6件)
このページは、国や公的機関、業界団体、造り手、研究機関などの資料で確かめたことをもとに、店の言葉でまとめています。リンク先は2026年10月に確かめたもので、その後に移ったり変わったりしていることがあります。外国語の資料もあります。
- 酒類総合研究所 情報誌 2021年12月号 特集「焼酎」 nrib.go.jp
- 鹿児島県大島支庁「奄美群島の概況」第10章 商工・労政 3 奄美黒糖焼酎 pref.kagoshima.jp
- 特許庁 地域団体商標「奄美黒糖焼酎」 jpo.go.jp
- 鹿児島県 地域団体商標の登録状況 pref.kagoshima.jp
- 日本酒造組合中央会「本格焼酎と泡盛ガイド」本格黒糖焼酎 guide.honkakushochu-awamori.jp
- 東京国税局「お酒のはなし 焼酎」 nta.go.jp
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